イータイコト・イータイ

怪獣とヒーローと任天堂が好きな20代男が言いたいことを言いたいように言うブログ。

“戦争のような音”を出していた、あの日の兄ちゃん姉ちゃんたちへ。

 

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先日、ふと、幼少期のある日の出来事を思い出した。たしか僕が4〜5歳、2000年頃のことだったと思う。

 

 

当時、僕の家の近くには、小規模ではあるが大学のキャンパスがあった。地域住民も気軽に入れるキャンパスで、僕も時折訪れていた。

 

 

その日は文化祭が催されており、今は亡き祖母が、手を繋いで僕を連れて行ってくれた。4〜5歳のガキンチョにとって大学の文化祭なんてものは屋台のメシを腹一杯食える絶好の機会であり、テンション高めで向かったことを覚えている。祖母に好きな食べ物を買ってもらい、その場で全て平らげ、家族にお土産のたこ焼きだか焼きそばだかを買って、「さあ帰ろうか」となった時だった。

 

 

突如、物凄く大きな音が響いた。爆音と言って良いだろう。僕は何が起きたか分からなかったが、とにかく驚いた。急いで音がした方を向いた。

 

 

そこには楽器を持った数人の兄ちゃん姉ちゃんたちが立っていた。なんだか聞き取れない言葉を早口で喋って、また爆音を響かせた。まぁ、要するに、軽音サークルのライブが始まったのだ。僕はバンドの演奏というものを生で見るのが初めてだったので、初めて見る光景に固まった。すぐさま祖母は僕の手を引き、そそくさと歩き始めた。

 

 

 

「ひぃぃ~、まるで戦争のような音だよ」

 

 

 

祖母は心底機嫌悪そうにそう言って、僕らは家路についた。“戦争のような音”というワードが僕の頭の中でグルグル回って、「はぇぇ~、戦争っていうのは、うるさいんだなぁ」と思った。

 

 

……などという記憶を、何の前触れもなくふと思い出したのだ。約25年前。遠く懐かしいけど、ハッキリと覚えている思い出だ。

 

 

あれから25年。もう祖母はいないし、あの頃暮らしていた家も無い。25年というのは、それだけ長い年月だ。僕ももう今年で30歳。あれから25年経ったのだから当然のことだ。5歳児は25年経つと30歳になるのだ。なかなか認めたくないものだ。5歳の頃の僕が思い描いていた30歳は、もっと大人なはずだった……。誰しもそうなのかな、などと考えると、少し哀しくなる。いやぁ、しかし、25年も経っているのかぁ……。

 

 

 

……

 

 

 

…………

 

 

 

……………………

 

 

 

ちょっと待て。ということは、あの日の兄ちゃん姉ちゃんたちが、最高学年である4年生……22歳だと仮定したら、今は……

 

 

 

47歳?????

 

 


……

 

 

…………

 

 

……………………

 

 

そんな訳ないだろ。

 

 

5歳の僕が25年経ったら30歳になるのは理解できる。当たり前のことだ。ごく単純な算数だ。数学ですらないぜ。5+25=30。暗算でいけちゃうよ。

 

 

しかし、22歳の大学生が、同じ時を経たら47歳になるというのはどう考えてもおかしい。んな訳がないのだ。だってアラフィフじゃん。絶対おかしいって。だって22+25って……

 

 

 

あれ???47じゃね???

 

 

……

 

 

…………

 

 

……………………

 

 

落ち着こう。

 

 

今、俺は暗算をした。しかし、俺の暗算が合っているという証拠はどこにもない。何故なら、暗算とは頭の中で完結しているだけの計算だからだ。俺の頭の中で俺が勝手に行って、俺が勝手に導き出し、俺が勝手に納得しているだけにすぎない。否、俺は納得していない。そうだ、俺が計算を間違えているのだ。30年近く生きてきて、俺の中に驕りがあるのだろう。2桁の足し算など暗算で導き出せるという、慢心からくるミスだ。恥ずかしいことだ。

 

 

という訳で、もう間違えないために、頭の中で済まさずに、紙に書いて計算することにした。皆さん、筆算という物をご存知か。

 

 

 

 

 

 

コレである。

 

 

 

 

 

 

図のように、縦に並んだ数字同士を足せば良いのだ。2+2と2+5を行う。そうすれば答えが出る。

 

 

 

 

 

……

 

 

…………

 

 

……………………

 

 

そんな訳ないだろ。

 

 

冷静になろう。怒りは判断を狂わせる。そもそも、紙に書いたとはいえ、計算をしているのは暗算の時と変わらず、俺の頭だ。俺が間違えているのだから、頭の中で済ませようが紙に書いてやってみようが、結果は変わらないのだ。思い出したが、俺は算数も数学も苦手だったんだ。

 

 

という訳で、もう自分の頭は信用ならないので、ここらで諦めて、文明の利器を使ってみよう。

 

 

 

 

 

 

スマホの電卓である。これで=(イコール)を押してみよう。

 

 

 

 

 

……

 

 

…………

 

 

……………………

 

 

割るぞ画面。

 

 

いやいや、イカン。そんなことしたら困るのは自分だ。スマホが無いと生きていけないだろ。でもZ世代などと呼ばれる若い世代でも最早ない。あああ。いや、本題はそこじゃない。どうやらスマホの調子が悪いらしい。こんな計算もできなくなっているとは……買ってまだ2年も経ってないのになぁ。

 

 


という訳で最終手段である。表計算ソフト(Googleスプレッドシート)を使ってみよう。僕は30歳になる社会人だからこういうこともできる。

 

 

 

 

 

皆さん、SUM関数というものをご存知か。指定した領域の数字を足してくれる便利な関数だ。僕は今年で30歳になる社会人だからこういうことも知っている。

 

 

では、このSUM関数を使って、22歳の大学生が25年の時を経ると何歳になるのかを計算してみよう。

 

 

 



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!

 

 

 

何を何度やっても22+25は47らしい。こんなことがあるかよ。こんな結末……チクショウ!

 

 

あの日“戦争のような音”を出していた兄ちゃん姉ちゃんたち。僕の中では大学生のままなんだ。今どうしているんだろう。確かなことは、御存命ならば47歳ぐらいだということだけだ。えぇ???マジで言ってんの???死にたくなってくんな……。

 

 

……ここでふと思った。逆の立場で考えてみよう。“戦争のような音”を出していた兄ちゃん姉ちゃんの目線で考えてみるのだ。若気の至りでバンドをやっていた。その頃5歳だった子供は30歳になるらしい。

 

 

……

 

 

 

 


…………

 

 

 

 


……………………

 

 

 

 

 

 

その方が死にたくなってくるな…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何が言いたいかって言うと、ある数字に25を足すと25増えるということと、25年経つと25歳分の歳を取るということです。不思議だね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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