イータイコト・イータイ

怪獣とヒーローと任天堂が好きな20代男が言いたいことを言いたいように言うブログ。

美しき闇による終焉!舞台『DARKNESS HEELS~THE LIVE~』感想

 

※本記事には舞台『DARKNESS HEELS~THE LIVE~』のネタバレが含まれます。

 

 

 観てきました、舞台『DARKNESS HEELS~THE LIVE~』。

 

 

DARKNESS HEELS(ダークネスヒールズ)は、ウルトラシリーズに登場したダークヒーロー5人(ウルトラマンベリアル、イーヴィルティガ、ダークザギ、ジャグラス ジャグラー、カミーラ)から成るユニットで、2018年の結成以降、様々な媒体で活躍しています。

 

 

そして今年、『DARKNESS HEELS~THE LIVE~』と題して舞台化が決定。しかも着ぐるみは用いず、役者さんが顔出しで5人のダークヒーローを演じるという内容。

 

 

「うおお~、こりゃあ随分と思い切った決断をしたなぁ」と感心する一方で、「まぁ、円盤待ちで良いかな」と落ち着いてもいたのですが、公演開始が近づくにつれて何だかいてもたってもいられなくなり(笑)すぐさまネットでチケットを予約。

 

 

何気に舞台のお芝居をちゃんと観るのは人生初でして、この斬新な企画に対するドキドキと、初観劇の緊張が合わさり、会場についてからも何だかソワソワ(笑)

 

 

そんな舞台『DARKNESS HEELS~THE LIVE~』、どうだったのかというと……

 

 

結果から言えば、大満足でした。

 

 

5人のダークヒーローのカッコ良さ、3つの惑星を舞台にしたストーリー、照明やスクリーンを駆使した演出、どれも最高でした。

 

 

以下、ネタバレありの感想となります。

 

 

 

■ストーリー

 

 

ストーリーを大雑把に思い出してみると、

 

 

・惑星テリオの研究機関の所長、ヒュースにより、5人のダークヒーローたちが復活する

 

 

・現世に蘇ったことと、人間の姿になったことに困惑するダークネスヒールズだったが、ヒュースに従うわけもなく大暴れして脱走する(ジャグラーは他4人よりも早く復活しており、1人だけ落ち着いている)

 

 

・ダークネスヒールズは散り散りになる。惑星アバン(自然と文明が調和した惑星。過去幾度も侵略されてきたが、ウルトラマンが助けに来たことは無い為、光の戦士に懐疑的)にはベリアルとカミーラとイーヴィルティガ、惑星O-50(オーブやロッソ・ブル・グリージョ兄妹、フーマが巨人の力を授かった惑星。表立って戦争を仕掛けたりはしないが、弱者を切り捨てる志向の政府が統治している)にはザギとジャグラーが降り立つ。

 

 

・現地民と交流して心を通わせたり、意見をぶつけあったり、ヒュースが放った惑星テリオからの刺客と戦ったりするダークネスヒールズ。

 

 

・惑星テリオは惑星アバンやO-50に“正義”の名のもとに侵略戦争を仕掛けていた。惑星アバンの住人に心を許したカミーラは早々に惑星テリオの刺客から他の星を守ることを誓うが、ベリアル、イーヴィル、ザギは我関せずな感じで、足並みが揃わない。その間ジャグラーはそれぞれにちょっかいを出してキレられたり一人でニヤニヤ笑ったりしている(笑)

 

 

・惑星テリオは人工太陽を建造しており、その光の力を戦士に宿らせて強化し、圧倒的な戦闘力で他の惑星を攻め立てていたことが分かる。巨大化しないだけで、光の国のウルトラマン達と成り立ちは同じ。

 

 

・“光”が殺戮を繰り広げる光景を前に、“光”を憎む“闇”の戦士たちダークネスヒールズは団結し、テリオ軍からアバンやO-50を守るため戦い、勝利する。

 

 

・再び散り散りになるかと思われたダークネスヒールズだったが、ジャグラーが耳元で囁いた言葉により、ベリアル以外の3人はテリオへ向かう。

 

 

・何を吹き込んだのか問うベリアルに対しジャグラーは頭を抱えて苦しみだし、「混ざってやがる……」と意味深な発言をする。

 

 

……という感じでした。公演時間は約2時間。本編の2/3ぐらいはアクションだったんじゃないかな?という感じで、「舞台役者さんって身体能力も体力も凄いんだな……」と驚愕しました(笑)カッコ良いアクションと共に、闇と光の対決、悪とは正義とは?という問い、愉快なギャグなども盛り込まれており、初観劇がこの舞台で本当に良かったな、と思いました。

 

 

以下、キャラクターごとに思う事をつらつらと。

 

 

 

ウルトラマンベリアル

 

 

 

 

はい、我らが陛下です。人間の姿になっても唯我独尊、自分が一番偉いと思っており、当初はアバンやO-50も支配するつもりでいました(笑)

 

 

カイザ―ベリアルを思わせる赤いマントを翻しながら鋭い爪で戦う殺陣がとても威圧的で恐ろしく、そしてカッコ良かったです。

 

 

演じる校條拳太朗さんはとても良くウルトラマンベリアルというキャラクターを研究しているな、と思いました。強大で威圧的でありながら、気が抜けると少しチンピラっぽくなりがちな(笑)ベリアルの感じが上手く再現されていて、「ベリアルが人間の姿になったらこうだろうな」と思わせてくれました。

 

 

そして今回、ベリアルが破壊し、支配しようとする星の基準とは何かが、彼自身の口から明らかになりました。

 

 

それは、ウルトラマンが訪れ、守ったことのある星。または、ウルトラマンを愛する者たちが住まう星、でした。

 

 

その為、惑星アバンがウルトラマンとは縁もゆかりもない星だと知った時には、興味を失くしています。

 

 

しかし、光の力を使って他の星を侵略するテリオ軍の真実を知った時、アバンの人々を守るために戦うことになります。

 

 

その時にアバンの人々に言った台詞が滅茶苦茶カッコ良いんですよ!

 

 

「光の連中に殺されるぐらいなら……俺が守ってやる」

 

 

え???ヤバくないですか???

 

 

曲がりなりにもベリアルが何かを守るために戦うという展開、それだけでも熱いのに、この台詞ですよ。

 

 

一番興奮した瞬間でしたね(笑)「ひ、光より闇の方が良いかも~~~!」となってしまうこと間違いなし(笑)

 

 

 

■イーヴィルティガ

 

 

 

 

元々は光の巨人なのに変身した人間のせいで闇の巨人扱いされてしまっている可哀想な人(笑)

 

 

本人もそれを自虐的にネタにしているシーンもありました。

 

 

本作では落ち着いた口調とはっちゃけて五月蠅い口調を交互に使い分けており、本来の巨人の人格とマサキ・ケイゴの残留思念的なものが混ざった状態なのかな、と思いました。

 

 

この口調の使い分け、喋っている最中に目まぐるしく変わるため、ぶっちゃけ挙動不審な人(笑)

 

 

演じる友常勇気さん、瞬時の切り替えが凄いなぁ、と思いました。

 

 

いま話しているのはどっちの人格?いま悩んでいるのはどっちの人格?と考えながら鑑賞するのが楽しかったです。

 

 

 

■ダークザギ

 

 

 

 

 本作では完全に暴走困ったちゃんで、マスコット枠です(笑)

 

 

とにかく破壊、破壊、破壊を信条としており、人の話聞く気ゼロ(笑)

 

 

ジャグラーとタッグを組んで、O-50の“戦士の頂”を破壊しに行く珍道中はギャグが多く、今作で一番笑いが起こっていたかもしれません。

 

 

しかし一度マジモードになれば流石は破壊神。

 

 

人間の女性を顔パン腹パンした後、後ろから首をへし折るというドギツイシーンも存在します。うげぇえ。(一応断っておくと、相手は戦士です)

 

 

あと、なんとなくですが、他の登場人物は横への移動が主なのですが、ザギは上下の移動が多かった気がします。

 

 

 

■ジャグラス ジャグラー

 

 

 

 

今作のトリックスター。ヒュースの計画にもノリノリで参加……するように見せかけてぶっ壊しちゃう(笑)

 

 

ジャグラーは青柳尊哉さんのイメージが強いため、他の4人以上に違う役者さんが演じることに不安があったのですが、演じる谷佳樹さんはちゃんとジャグラーでした。相当研究されたんだろうな、と思います(ご本人は青柳さんが演じた人間態よりも変身後の魔人態を参考にしたとのこと)。

 

 

破壊神ザギをニヤニヤ弄りながらの珍道中は、意外と良いコンビで面白かったです。

 

 

また、流麗な剣さばきも素晴らしかったです。個人的に良いなと思ったのは、赤い照明が蛇心剣に当たると、刀身が赤く光って見えるところ。狙ってやった演出なのか、それとも偶然の産物なのか。

 

 

そして、ラストの「混ざってやがる」とはどういう意味なのか。続編への布石でしょうか……。

 

 

 

■カミーラ

 

 

 

 

サディスティック女王様なイメージがあったカミーラですが、今作では惑星アバンのとある一家のもとで暮らし、彼らを大事に思うようになります。

 

 

ダークネスヒールズのメンバーの中で一番初めに人々を守るために戦うことを決めたのが彼女でした。

 

 

原典の映画では“怖い女”という感じのカミーラでしたが、ティガへの愛憎が絡まない本来の彼女はこういう人なのかな、と。

 

 

また、一人でノリツッコミの練習をしているところをベリアルに目撃されるという衝撃(笑撃)のシーン、最高でした(笑)

 

 

演じる相良伊織さんは本格的な舞台での演技は初めてとのことでしたが、全くそれを感じさせない風格でした。

 

 

 

ウルトラシリーズの“入口”としての可能性

 

 

大満足の本作ですが、嬉しいことに、今までウルトラマンを観たことがなかった舞台ファンの人にも受け入れられているようです。

 

 

そして、その中には本作からウルトラシリーズに興味を持ったという人もいるようで、本作の展開はウルトラシリーズの“入口”のひとつとして、大きな役割を果たせたのではないでしょうか。

 

 

逆に、私は今まで舞台のお芝居を観てきませんでしたが、本作を通じて興味が出てきました。う~ん、ウルトラマンと舞台、Win-Win(笑)

 

 

やはり新しいことにチャレンジするのって、良いですね。

 

 

……そして、この記事を書いている間に、新情報が。

 

 

m-78.jp

 

 

またやります!!!!!

 

 

ベリアルとジャグラーのキャストが変更となりますが、ほぼ同メンバー。

 

 

続編ではなくパワーアップした特別編のようですね。

 

 

公演終了から間を空けず、すぐに続報が出て嬉しい限りです。

 

 

ただ、ツブコンと時期が被るので時間的にも経済的にも観に行けるか分かりませんが……。

 

 

なんにせよ勢いが止まらないダークネスヒールズ!!!

 

 

この勢いで、次の次は続編もお願いします!