えのきが、好きだ。
あのコリコリとした食感。噛めば噛むほど広がる楽しみ。
しめじや舞茸も勿論好きだが、えのきは別格だ。
千切れば細く、千切らなければ太く。手の匙加減一つで“個”にも“群”にもなるえのきの可能性は、他のきのこを凌駕している。
他のきのこほど主張の激しくないその風味は、あらゆる料理に合う。それ故、影は薄いのかもしれない。でも大好きな、影の実力者だ。
一方で、うどんも好きだ。チュルチュル吸ったあとに広がる、モチモチな食感。出汁によって変わるツユの風味とのグルーヴ。
消化もよく、蕎麦ほど香りの自己主張がないため、体調不良の際にも嬉しい。具材のレパートリーもより多彩だと思う。(誤解のないように言うと、蕎麦も好きだ)
そんな両者が手を組むという、奇跡の料理が現れた。Twitter、ブログ双方で交流させていただいている結騎 了さん(@slinky_dog_s11)が、コチラの記事で解説されている。
何故っ……!何故っ……!何故だっ……!!!
何故っ……!えのきもうどんも愛していながらっ……!!!
思いつかなかったっっっ……!!!
えのきとうどんの組み合わせを、食べたことがないわけではない。
我が家では鍋の際には必ずと言っていいほどえのきが入っているし、締めはほぼ毎回うどんだ。えのきのコリコリとうどんのモチモチ、両者の相性の良さは勿論知っていた。
しかし、このえのきうどんのキモは、両者の割合が1:1である点だ。
今まで私が味わってきたものは、圧倒的にうどんの量がえのきの量よりも多かった。
それが……同等の量となるだとっ……!
今すぐに試してみたい気持ちに駆られたが、すぐに実行には移せなかった。
うどんと同量のえのきを使う勇気が、まだ自分には無かったのだ。
というか、実行に移した際の家族の目も気になった。
間違いなく奇異の目で見られるッッッ……!!!
てな訳で、しばらくえのきうどんに対する気持ちは封印することにした。
しかし、人間、我慢はいつまでも続かないのだ。
時は経ち、2020年、ついに実行に移すときが来た!!!
う、美味えーーーーーッッッ!!!
えのきのコリコリ!!!うどんのモチモチ!!!交互に広がる幸せ!!!
知ってた!!!この味わい、知ってたぞ!!!
しかし感動が止まらねぇ!!!なんたって、うどんと同量のえのきを食っているのだ。
えのき好きの方なら誰もが経験があると思うが、鍋パーティで自分の取皿にえのきを掬った際、あまり千切られてない大きな塊を取ってしまった時のあの申し訳なさ!!!
だが、俺はそんなもんからは開放された。なんたって、うどんと同量のえのきが入っているのだ。
チュルッ!!!ズルズルッ!!!コリコリ!!!モチモチ!!!
ひたすらこの繰り返しである。全く苦にならない繰り返しである。人類の歴史は繰り返しの歴史。即ちえのきうどんは人類の歴史。
案の定、家族からは「えぇ〜……」という感じの目で見られたが、良いのだ!!!
えのきうどん……えのき好き、うどん好き、全ての人間に伝われ!!!